戦没者を追悼 平和を祈念 印西平和の鐘鳴り響く

戦没者を追悼 平和を祈念 印西平和の鐘鳴り響く
神妙な面持ちで「印西平和の鐘」を突く中澤俊介・印西市議会議長

 終戦記念日の8月15日、戦没者を追悼し平和を祈念する「印西平和の鐘」を突く式典が、印西市大森の市文化ホールで開かれた。
 式典では、正午の時報にに合わせて市関係者が鐘を突き、鐘の音が鳴り響く中で約100人の参加者らが黙とうを捧げ、77年前の大戦で亡くなった戦没者を追悼した。
 会場では「平和への願いを込めた標語」の表彰が行われ、677点の応募作から、市立木刈中学校3年の大塚史子さん(14)の「平和のリボン 固く結んで 解かないで」が最優秀賞に選ばれた。
 大塚さんは、現在の平和な暮らしを“リボン”に見立て「どちらか一方が引っ張ってもほどけるし、両方が引っ張ってもほどける。どちらも引っ張らないように固く結んでいきたい」と、不意の力でもろく崩れやすい「平和な暮らし=リボン」を守りぬく姿勢を標語に込めた。
 標語の制作では、現在進行形で起きているロシアのウクライナ侵攻の光景を想像したという。大塚さんは「家族と離されてしまった人もいる」として、人々が辛い思いをしなくても済む平和な世界を希望した。
 印西平和の鐘を鳴らした中澤議長は本紙の取材に対し「ロシアのウクライナ侵攻が連日報道されているが、中学生の皆さんにも『戦争と平和』について考える機会になったと思う」と述べた。

「平和への願いを込めた標語」で入賞した中学生たち

印西市平和への願いを込めた標語・入賞作品

 印西市内の市立中学校9校の中学3年生を対象に募集した標語677点の応募作から、入賞した作品は次の通り。(敬称略)

【最優秀賞】
○平和のリボン 固く結んで 解かないで
大塚史子(木刈中学校)
【優秀賞】
○切り撮りたい世界の平和、はいpeace
松養榮杜(原山中学校)
○願って平和 作ろう未来 絆の糸を引っ張ろう
山本陽向(原山中学校)
○この世界にいるあなたは奇跡で宝物 共に育もう平和の心
後藤優空(西の原中学校)
○咲かせましょう 未来へ続く 笑顔の花
鈴木心乃(西の原中学校)
○枯らさない 平和の花を 未来へと
丹羽実緒莉(滝野中学校)

メモ・印西平和の鐘
 「広島平和の鐘」を制作した鋳金家で重要無形文化財保持者(人間国宝)の故香取正彦氏が、父・香取秀真氏の出生地・印西町(現在の印西市)への記念として制作。1991年2月に香取氏の遺族から町に寄贈された。
 鐘は青銅製で高さ76㌢、口径45㌢、重量140㌔で「広島平和の鐘」と同じ大きさ。正面には、故吉田茂首相の筆で「平和」の二文字が刻まれ、撞座の左右には瑞鳥が描かれ、裏面には「印西町の為に」と刻まれている。

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