印西市は「市立小中学校の給食費の完全無償化を9月から実施する」と5月29日の定例記者会見で発表した。市議会で給食費完全無償化の議案が可決されれば、9月から実施される。市民の間から給食費完全無償化の要望は強く、今から8年前に「市立小中学校の給食費完全無償化」を提唱した中沢俊介議員は「8年前に交わした約束が守れて良かった」と安堵の表情を浮かべた。
完全無償化を提唱した中沢俊介市議 「8年前の約束は必ず守る」
印西市によると、給食費完全無償化を9月から実施する理由に、今年4月から稼働を開始した高花学校給食センターを含め、市内に4カ所の給食センターが稼働して安定的な供給ができる事と、無償化に向けた制度設計が整った事を挙げた。
これまで印西市では、第3子以降の学校給食費を無償化する措置を取ってきたが、今年9月以降は全ての市立小中学校の児童生徒が給食費完全無償化の恩恵を受けられる。
無償化に伴い、今年度の事業費は約3億6000万円、来年度以降の事業費は約6億5000万円程度を想定している。財源は市の一般財源から充てられる。
千葉県内で学校給食の無償化を実施している市は、市川、浦安、勝浦、いすみに次いで5番目。
完全無償化への長い道のり
給食費完全無償化を巡っては、今年2月16日に行われた印西市議会会派代表質問で、給食費完全無償化について質問。
中沢議員は2月議会終了後の取材に対し「スピード感を持って対応すれば、令和6年度の2学期の9月からスタートできる。特に中学校3年生は義務教育最終学年となることから、安心して給食が食べられるように早急に実現したい」と語ったが、中沢市議の質問を受けて、急転直下で実施が決まった。