組合議会で猛反対!
ごみ処理施設などを運営する印西地区環境整備事業組合の議会が2月9日開かれ、印西市吉田地区に建設予定の次期クリーンセンター建設工事請負契約を「JFEエンジニアリング」の企業グループと結ぶ議案が、賛成5・反対3で可決された。JFEグループの落札価格は約290億円と別の企業グループより約28億円高い事から「地方自治法の定める財政原則に真っ向から反する」として、同日付で印西・白井の市民有志が住民監査を請求した。
次期クリーンセンター建設工事の入札では、JFEグループとは別に「神鋼環境ソリューション」の企業グループが参加し、昨年11月21日に入札を実施。同年12月26日にJFEグループを落札者と決定した。
入札予定価格は約404億円で、入札額約290億円のJFEグループに対し神鋼グループは約262億円と、神鋼グループ側が約28億円も安かった。
しかし「価格だけで決めると施工不良などの懸念がある」として、入札では価格要素と、地域貢献など14項目の「非価格要素」も審査対象に加えた総合評価方式の「加算方式」を採用。価格要素と非価格要素をそれぞれ50点満点で点数化して審査した。
価格点では神鋼グループが50点満点に対しJFEグループは45・21点だが、非価格要素点では神鋼グループ32・41点に対しJFEグループは37・55点と逆転。合計でJFEグループ82・76点、神鋼グループ82・41点となり、0・35点差で約28億円高いJFEグループに決まった。
これに対し市民有志は、総合評価方式でも国や千葉県が採用している「除算方式」を採用すべきだったと主張。除算方式で評価し直すと、神鋼グループがJFEグループを6・5%の得点差で上回るという。
また、組合事務局が作成した「非価格部分による事業者別比較」では、組合が支出する「地域貢献額」と、組合の収入になる「売電額」という性質が全然違う項目の金額を合計するなど、記載内容自体に疑問が残る項目も見られた。
談合で賠償の過去あり JFE
JFEエンジニアリングを巡っては、過去に現クリーンセンター3号焼却炉増設工事に関して談合を行い、同事業組合から2010年12月に損害賠償請求の民事訴訟を起こされた。13年5月31日に東京高裁が独占禁止法違反と損害の発生を認め、JFE側に9682万円の支払いを命じる判決が確定している。
賛成派議員がヤジ
9日の組合議会の一般質問では、議員から入札結果に対する疑問が相次いだ。入札結果を問題視する塚田湧長・栄町議の質問に対し、組合管理者の板倉正直・印西市長は「『諮問委員会を重視して結論を出すべきではないか』と正副管理者会議の中では一致した」と答弁し、あくまでも入札結果の正当性を主張した。
工事請負契約議案の議決の際に、議案賛成討論で軍司俊紀・印西市議が、反対討論した柴田圭子・白井市議に対し「私は『後出しジャンケン』をするような、(入札の)評価方式を今さら変えてどうだこうだと言うつもりはありません」と柴田市議を非難。その上で、反対討論中の塚田町議に対し「後出し(ジャンケン)だろ!」とヤジを飛ばす場面があった。
傍聴席で軍司市議の一連の行動を目の当たりにした市民の一人は「あの態度はない」と眉をひそめた。
入札の正当性を改めて主張 板倉市長
板倉市長は2月12日、市長選出馬会見後の報道各社の取材に「『安かろう悪かろう』では絶対に取り入れないからね」などと述べ、次期クリーンセンターの入札結果の正当性を改めて強調した。
板倉氏を支援する海老原作一市議会議長は、監査請求を起こした市民有志に対し「どうせ却下される」などと発言した。