【先行公開】生活保護費の算定誤り問題 県の「返還金取り消し裁定」を約4カ月も非公表! 情報隠し体質の板倉市政

【先行公開】生活保護費の算定誤り問題 県の「返還金取り消し裁定」を約4カ月も非公表! 情報隠し体質の板倉市政

 2021年度に印西市が生活保護費の障害者加算の算定に誤りがあったとして、生活保護受給者たちに障害者加算分の返還を求めていた問題で、千葉県は「本件処分は違法または不当なものとして返還金決定を取り消す」との裁定を今年1月11日付で出していたことが明らかになった。県の裁定が出されてから約4カ月になるが、印西市から報道各社には一切の発表が無かった。板倉市政の「情報隠し体質」に批判の声が高まりそうだ。

 印西市によると、2021年9月に千葉県が「生活保護法施行事務監査」を実施したところ、市が生活保護費の障害者加算の算定に誤りがあった事が発覚。
 市は生活保護費の障害者加算分を誤って多く支給していた受給者たち15人に対し返還を請求。受給者の自立に必要な自立更生費を除いた分の15人分の合計約729万円の返還を求めた。
 市の決定に対し、受給者の1人が22年5月に千葉県に対し審査請求を求めたところ、千葉県は24年1月11日「本件処分は違法または不当なものとして返還金決定を取り消す」との裁定を下した。

「本件処分は違法または不当」家計状況を考えない裁定に千葉県がダメ出し

 県の裁決では▽消滅時効の範囲の認定に誤りがある▽審査請求人世帯の自立を阻害する可能性についての検討が不十分である、との問題点を指摘。このうち、「自立を阻害する可能性」について県は「自立更生費を除いた後の返還金が、審査請求人の自立を著しく阻害することとなるおそれがあるか否かについても考慮すべき」「家計状況等に照らして返納させることが審査請求人世帯の自立にいかなる影響を与えるか、どの程度の返還額であれば自立を阻害しないか具体的な検討が不可欠であるが、このような検討が十分に行われていない」と述べた。
 県の裁決を受け、印西市は残り14人の受給者に対して生活状況の確認などを行い、返還金額について再度決定することにしたという。返還金額の再決定に伴い市からの還付が生じる事から、今年の6月議会で予算案を提出予定という。
 生活保護受給者の厳しい家計状況を考えずに、印西市側のミスで過大支給された障害者加算分を無理やり回収しようとした点について、印西市の担当者は「もう少しその人(生活保護受給者)の自立を阻害するかどうかを考慮すべきだった」と、反省の弁を述べた。
 県の裁決を受理してから約4カ月も報道機関に公表しなかった理由について「返還額について決定されないままでの報道発表は好ましくない」と述べた。

【おことわり】

利根新報6月号(6月9日発行)のうち、当該記事の掲載紙面を先行して公開いたします。

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