シリーズ 都市計画税の減税(後編)

シリーズ 都市計画税の減税(後編)
印西市議会議員 第16代市議会議長 中澤俊介氏

 私たちにとって、税金は身近な話題であり、「減税」の2文字で検索すると、1人あたり4万円の定額減税が並びます。
 ご承知のとおり政府は、納税者本人と扶養家族を対象に1人あたり所得税3万円と住民税1万円のあわせて4万円の減税を来年6月にも実施するとしています。
 この議論の行方や制度設計はさておき、今号においては、引き続き都市計画事業の側面から、適正な税率について考えてみたいと思います。
 都市計画税は目的税(一定の政策目的を遂げるために、税収の使途が定められている税)であり、普通税(税収の使途が定められていない税)である固定資産税と異なり、私たちが住む地域の発展のため、都市計画事業(道路、水道、公園などの公共施設の整備など)や土地区画整理事業など、決められた一定の事業に使われます。
 また、納税義務者は、市街化区域内に土地や家屋を所有している個人・法人が都市計画税を納税します(償却資産は課税の対象外)。
 印西市において都市計画税の歳入は年間約18億円、これまで下水道事業や都市計画道路、千葉ニュータウン事業に充当してきましたが、令和3年度から剰余金が発生(別表参照)しており、別のお財布である基金に積み立てられています。これは、使いきれず余ってしまったことを意味し、健全な財政運営とは言い難い状態です。

 前述のとおり、県内37市の税率は0から最高税率の0・3%までさまざまですが、印西市において、0・3%の水準を維持する明確な根拠は示されておりません。
 今年度も剰余金の発生が見込まれており、適正な受益と負担の観点から減税は検討すべきと考えます。都市計画税を充当している地方債元利償還金等は残すところ、あと約28億円、将来における都市計画事業の規模や実態を考慮し、最終的に政治判断が必要になりますが、0・3→0・2%の税率改正を提案していきたいと考えております。
 みなさまのご意見をお寄せください。

<モデルケース>

 課税標準額3000万円のマンションの場合、0・1%の減税で年間約3万円の負担減となります。

※住宅用地の特例措置などがありますので、詳しくは納税通知書でご確認ください。

印西市議会議員 第16代市議会議長 中澤俊介

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