【松本尚衆議院議員コラム】 見て、聞いて、永田町 第5回 永田町の喧噪

【松本尚衆議院議員コラム】 見て、聞いて、永田町 第5回 永田町の喧噪
松本尚衆議院議員

 東京都千代田区永田町。国会やその関連施設のある所です。

 国会議事堂の裏側には永田町バイパスという道路を挟んで総理官邸と衆議院の第一と第二、参議院の3つの議員会館が並んでいます。永田町バイパスの総理官邸前の交差点と議員会館側の歩道には、国会会期中となればほぼ連日(概ね、雨天の日は除きますが)、街頭で演説をする人たちがやって来ます。様々な主張を持つ人たちが、おそらく総理をはじめとする閣僚の面々や国会議員に向けて、横断幕を掲げながら、拡声器を使って大きな声で、交代々々自分達の主張を叫んでいます。中には一人で数十分も喋り続ける強者もいます。私の事務所は第一議員会館の官邸側、この交差点がすぐに見おろせるところなので、この声がとてもよく聞こえてきます。

 彼らの主張は保守的なものから左翼的思想に至るまで千差万別です。そのほとんどは政府に対する一方的で、独善的な批判です。時には、野党議員ですら耳を覆いたくなるんじゃないかと思うような罵詈雑言の類いもあります。そうなるとまさに喧噪状態です。政府への批判―これが中国であったならたちまちの内に逮捕拘束されてしまうでしょうから、自由にモノを言うことのできる民主主義の確立したわが国が如何に素晴らしいのかを実感します。それでいて、事あるごとに「表現の自由が脅かされている!」と叫ぶ一部メディアの言いようには呆れるばかりです。

 そうかと思えば、「なるほど」と思うような正論も聞こえてきますから、永田町バイパスの騒々しさも無駄ばかりではないようです。

 そんな中、平日、永田町バイパスの国会側の車線には観光バスが何台も連なって停まっています。このエンジン音も永田町の喧噪を作り出しています。降りてくるのは国会見学にやって来た小学生、中学生です。今は主権者教育というのが行われていて(私の子供の頃はそんな授業はありませんでした)、その一環としての「立法府」の見学だそうです。わずか40分程度で国会議事堂内をツアーするのですが、本会議場を目の当たりにすることは政治に興味を持ってもらう良い機会になるに違いありません。

 私は、予定さえ合えば見学の前後で5分ほどの挨拶をさせてもらいます(話が長いと子供たちに嫌われます)。そんな時にはできるだけ政治への関心が高まるような話をすることにしています。彼らはこれからの日本を創っていく世代です。国会見学では永田町の喧噪に触れつつ、正しい政治への関わり方を学んで欲しいと思うのです。

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