コラムの4回目のお題は「議員秘書」についてです。
皆さんは国会議員の秘書というとどんなイメージを持っているでしょうか。金権政治などと批判されていた1970~80年代には、受託収賄事件が起こるたび、秘書が議員の名前を使って関与していた、あるいは「秘書がやりました」などと“詰め腹”を斬らされたと覚しき報道もありました。
このようにあまり良い場面で出てくることのない秘書さん達ですが、実際には秘書さんがいなければおそらく国会議員は今の仕事の3割もできない、そんな重要な役割を担っているのです。彼らは一体どんな仕事をしているのでしょうか。
国会会期中ともなれば議員には、本会議、委員会、党本部の部会、面会、行事参加など、連日分刻みで予定が入ってきますので、まずは議員のスケジュール管理です。行事の日時が重なることは日常茶飯事なので、議員本人が出席できないイベントに代理として出席するのも秘書さんです。また、議員は万に一つも交通事故を起こすことは許されませんから、車の運転も秘書さんの仕事です。地元(選挙区)との繋がりを作っていくのも秘書さんの役目。こちらは選挙の時に大きな力になります。挨拶、車の停め方、お酒の飲み方…、秘書の立ち居振る舞いは議員本人のイメージになります。それを考えて自分を律する。ここが秘書としての隠れた矜持です。
さて、秘書さんは何人ぐらい必要なのか? 国の経費で雇えるのは議員一人あたり3名で、公設秘書と呼ばれます。この他に私設秘書がいます。こちらは議員が私費で雇用しますので、財源に余裕のある議員は何人もの秘書を雇えます。秘書の人数が多ければその分だけ地元との繋がりは密にできます。そんな議員さんはとても羨ましいです。
秘書さんが一番大変なのはその身分の保障です。雇用する議員が落選すればその時点で失職します。次の雇い主がみつかるまでは無職になるわけですから、選挙に弱い議員の下では不安定な職業と言わざるを得ません。逆に言えば、自分が仕える議員を選挙に強くするのも秘書の仕事と言えるでしょう。そんな訳で議員秘書は政治や選挙に興味がなければできません。一方で、優秀であればこの世界でも長くやっていけますし、政治家に転身する道も拓けるでしょう。その場合、秘書出身の議員が即戦力であることは当然です。
松本事務所では4名の秘書さん達が日夜、私の政治活動を支えてくれています。皆さんのもとを訪れた時には、是非、優しく声をかけてあげてください。