走行中の列車内での傷害事件が相次ぐ中、北総鉄道と印西警察署は4月21日、走行中の列車内で凶器を持った不審者への対応訓練を、北総線印西牧の原駅構内で実施した。
訓練は「走行中の列車内で不審者が突然劇物を車内にばらまき、居合わせた乗客に対して刃物で切り付けた」と想定し、駅員や警察官ら約50人が参加した。
訓練では、走行中に見立てた列車内で、乗客役の駅員が不審者役の警察官に刃物で切り付けられ、その場に居合わせた乗客役の1人が、車内の非常通報装置で車掌に向けて不審者の様子を通報。通報を受けた車掌は乗客らに別の車両に避難するよう指示し、指令所には印西牧の原駅に停車して乗客を避難させ、警察に通報するよう連絡した。
連絡を受けた印西牧の原駅の駅員らは、停車した列車から乗客らを避難させるとともに、防護盾を持って不審者をけん制。通報を受けた警察官が、さすまたや防護盾などを使って不審者を制圧し逮捕した。
印西警察署の岩渕幸男警備課長は、一般の乗客が現場に居合わせた時の対応として「まずは車内の緊急通報ボタンで、異常が起きていることを知らせてほしい、その上で車内がどうなっているかを伝えてほしい」として、不審者が凶器を持っているか、負傷者がいるか、乗客数などの状況を通報するよう求めた。
今回の訓練について北総鉄道の広報担当者は、走行中の列車内での傷害事件が昨年続発した事を念頭に「社会情勢を考えると、より警察と緊密に連携して、職員のスキルアップを図っていきたい」と総括した。