「どこに疑惑があんの!?俺聞きたいよ!」
5月29日に開かれた印西市定例記者会見で、板倉正直印西市長が、印西地区環境整備事業組合の次期クリーンセンター入札問題に関する質問に対し“逆ギレ”を起こす一幕があった。次期クリーンセンター入札問題については「なぜ28億円もの大金の差がある高い業者に工事を決めたのか?」などの疑問点があり、本紙はじめ新聞各紙が報道しているが、板倉市長は「どこに疑惑があんの!?俺聞きたいよ!」などと声を荒らげ、説明責任を事実上放棄した。
これが市長の振る舞いか?
板倉市長は、2月9日の事業組合議会で「『諮問委員会を重視して結論を出すべきではないか』と正副管理者会議の中では一致した」と答弁、2月12日の市長選出馬会見後の報道各社の取材でも「『安かろう悪かろう』では絶対に取り入れないからね」などと一方の相手業者を見下す言い方で、次期クリーンセンターの入札結果の正当性を改めて強調した。
しかし、多くの市民が抱く「なぜ28億円もの大金の差がある高い業者に工事を決めたのか?」との疑問に対し、公の場で真正面から答えていない。同組合に対し市民有志は、入札者を審査した選定委員会の会議録などの情報開示を請求し、2度目の監査請求を出す予定という。
「議会に諮って決めた」と繰り返し主張
本紙の質問に対し「言えばああだ、こうだ、って書くでしょ!」「どこに疑惑があんの!?俺聞きたいよ!」などと怒気をはらんだ声を出しつつ「議会で決めたもんですよ!審査員の人がちゃんといて、1年3カ月にわたって詳しく分析して、その結果が答申を受けて、それを議会に諮って決めたもんですよ」と、従来の主張を繰り広げた。
その上で板倉市長は「本当に疑惑があるんならそれを指摘してくださいよ!」などと、説明責任を放棄し「開き直り」ともとれる態度を示した。
さらに「書きたければどんどん書いてください。それだけの評価を受けるから」「俺はずうっと今まで我慢していたけど、ここまで言うんならどんどんやってください」などと、市長とは思えないような、含みを持たせる発言をした。
給水区域拡大の請願採択から1年 いまだに「棚ざらし」
「給水区域拡大に関する請願書」が昨年の印西市議会6月議会で採択されて1年を迎えるが、請願の趣旨を理解しない板倉正直市長と市執行部の動きに対し、市民から「市民の請願を棚ざらしにするのか!」と強い不満の声が出ている。
請願採択以降の現時点での取り組みは、水道未給水区域でのアンケート調査予算の計上のみ。7月の市長選では「市内全域に給水区域を拡大」を公約に掲げる立候補予定者がいる一方で、現職の板倉市長からは何の音沙汰もない。
「水道はあって当たり前」という、ニュータウン地区の住民からは「なぜ市長が水道拡充をやりたがらないのか分からない。水道拡充をやれば多くの市民が喜ぶのに」と、板倉市長の頑なな姿勢に首をひねる。
未給水地域の住民からは「去年の市議会で請願は採択されたのに何の進展もない。市民の請願を棚ざらしにするのか!」「私たちを差別して水道水を給水してくれないなら、その分減税しろ」と怒りが収まらない。
7月の市長選では、他候補者は給水拡大を公約に掲げている。3期12年の板倉市政に市民がどのような審判を下すか、注目が集まる。
【おことわり】
利根新報6月号(6月9日発行)のうち、当該記事の掲載紙面を先行して公開いたします。
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