印旛消防署の救急車が接触事故、搬送9分遅れ

印旛消防署の救急車が接触事故、搬送9分遅れ

 印西地区消防組合消防本部は8月25日、119番通報を受け出動した印旛消防署(印西市)所属の救急車が絡む接触事故が起き、白井市の70代女性の搬送が約9分遅れたと発表した。女性は搬送先の病院で死亡が確認されたという。同本部では、接触事故と女性死亡との因果関係などを調べている。

 同本部によると、8月24日午後3時ごろ、女性から依頼を受けた近隣住民から119番通報があった。
 通報当時は白井消防署と西白井消防署の救急隊が出払っており不在だったという。このため業務を終えて印旛消防署に戻る途中の救急隊に連絡して、印西市内から白井市内の女性宅に向かわせたという。
 通報から約20分後に印旛消防署の救急隊が女性宅に到着したが、運転していた隊員が救急車のギアを「P」(パーキング)に切り替えずに降りたため、救急車が動き出したという。隊員は衝突を避けようとして救急車と前方に駐車中の軽自動車に入ったが、隊員の体が軽自動車に接触し、軽自動車が損傷したという。隊員にけがは無かった。
 現場にいた3人の救急隊員は女性の救急処置を続行し、同行の消防隊員が別の救急車に出動を要請。午後3時55分頃に別の救急車が到着し、女性は午後4時頃にドクターヘリに待機していた医師に引き渡され、八千代市内の病院に搬送されたが、同日中に死亡が確認されたという。
 女性は救急隊が到着した時点では意識があり、隊員からの呼びかけには反応していたという。
 同本部では、職員に安全運転要領の再確認を求める再発防止を通知した。
 同本部の山下浩一消防長は「搬送時間の遅延はあってはならないことで大変申し訳なく、再発防止に努める」とコメントした。
 同本部管理者の板倉正直印西市長は「住民および関係者の皆さまの消防行政への信頼を損ねる事態を招いてしまった事に対し、心よりお詫び申し上げます。再発防止の徹底と住民の皆さまからの信頼回復に取り組んでまいります」と謝罪コメントを発表した。

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