印西市の水道問題 本埜小、本埜支所でも井戸水トラブル

印西市の水道問題 本埜小、本埜支所でも井戸水トラブル
井戸水から臭気と濁水が発生した、市立本埜小学校

 印西市中根の市立本埜小学校と、同市笠神の印西市役所本埜支所で使用している井戸水にトラブルがあった事が、本紙の取材で明らかになった。印西市内の水道未給水地域への給水を求める「給水区域拡大に関する請願書」が印西市議会6月定例会で採択されたが、市民に身近な公共施設ですら水道が引かれておらず、未給水地域に住む市民の間から、水道整備を求める声が強まりそうだ。

本埜小では臭気と濁水が発生 新しい井戸で対応

 印西市教育総務課によると、本埜小学校では元々井戸水を使用していたが、約2~3年前から「水質が安定していない」という事態が起きていたという。
 具体的には「臭いがする」「水に濁りが出ていた」などのトラブルが発生しており、今年度に入ってからも水の濁りが改善されなかった事から、別の地下水脈から新しく井戸を掘ったという。新しい井戸では水質の濁りは改善され、透明な水が出ているという。
 同課では「今は解決に向かっている」として、新学期が始まる9月頃からの使用開始を見込んでいる。
 同小校舎は旧本埜第1小学校校舎として1981年に建設。当時は市街化調整区域のため、水道が引かれなかったという。
 同課担当者からは「水道を学校に引っ張るのは水道事業者の仕事なので」としながらも「水道なので負担金はあるけど、学校の近くに水道を引っ張ってもらえるとありがたい」と、学校への水道整備を訴えた。

本埜支所では水から臭気 滅菌用装置を改修で対応

 本埜支所によると、今年1月頃に井戸水を貯める受水槽で、滅菌用薬品を入れる装置が不具合を起こし、水から臭気が出てきたという。市議会6月定例会で装置の修繕費予算が可決された事から、臭気を取るフィルターと薬品を入れる装置を新品に交換し、9月頃には改善されるという。
 同支所庁舎は旧本埜村役場として1984年に建設。建物が長門川水道事業団の給水エリアから外れた「市街化調整区域」に建設されたため、当初から井戸水を使用していたという。
 同支所の担当者は「今まで使っている中で、井戸水に関するトラブルは無かった。知る限りでは今回が初めて」という。
 旧本埜村のうち、市街化区域の滝野地区だけが県営水道が給水されている。それ以外の地域は市街化調整区域扱いで、同区域内のうち、長門川水道事業団の給水エリアは水道水が使えるが、給水エリア外は井戸水を使用しているという。
 同支所の担当者は「『安全な飲み水が欲しい』という方もいるし、今まで井戸水に慣れていた方には『水道水を買う』というのに慣れていない方もいる」と、住民の個別事情に触れつつも「水道を使うか、井戸水を使うか、の選択肢が今のところは無い」との現状を明かした。

現在も井戸水を使用している、印西市役所本埜支所

読者の声

 市内の大森地区に住んでいるが、井戸水からの臭いが昔から起きている。飲み水はミネラルウォーターのみを使っている。
 請願書採択に反対した3人の市議に電話したが、折り返し電話があった市議1人には井戸水の現状を説明した。他の市議2人からは何の連絡も無かった。
   (印西市・男性)

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