印西市議会 市内水道の給水区域拡大の請願を採択

印西市議会 市内水道の給水区域拡大の請願を採択

 印西市議会定例会は6月6日から27日までの22日間開かれ、定例会最終日の6月27日、印西市内の水道未給水地域への給水を求める「給水区域拡大に関する請願書」が賛成18、反対3の賛成多数で採択された。印西市内には水道の未給水地域が多く存在し、未給水地域の市民の間からは「同じように市民税を払っても地域間格差がありすぎる」「不公平を無くして欲しい」として、水道整備を求める声が上がっている。

未給水地域の市民「地域間格差を無くして」

 請願書によると、印西市内のうち旧印旛村・旧本埜村地域のほぼ全域が水道水の給水区域だが、旧印西市内には水道の未給水地区が多く存在しているという。
 請願では、市内全域を給水区域に指定し、市内の未給水地域の全体像を把握するなど「地域間格差の是正」と、未給水地域の全域が整備されるまでの当面の間、県営水道を接続できるように千葉県との協議・調整を求めている。
 印西市内の水道未給水地域の住民は井戸水を使っているが、井戸水からガンの原因となるピロリ菌のほか、病原性大腸菌O‐157などの細菌が検出される事例が全国的に後を絶たない事から、井戸水を飲料水として使うのに不安を感じる市民は多い。
 未給水地域に実家がある市民の一人は「固定資産税は水道を引いても引かなくても同じように取られる。未給水地域の住民を、印西市民として扱っていないのではないか」と憤る。
 印西市第一次基本計画の「上下水道事業の安定的な運営」項目では「水需要を的確に把握し、受水量の確保や水道施設の計画的な整備・更新を進めます」との記載があるが、請願書を出した市民の一人は「市の担当課は、未給水地域を無くす計画も努力もしていない」と、未給水地域の実態把握すらしていない市の対応を厳しく批判する。
 市内の企業経営者の間からは「水道を市内全域に拡大しないと印西市の人口は増やせない。『水源は上水道ではなく井戸水』という地域に移住したい人はいない」と、印西市への移住希望者が減少し、人口増への悪影響を懸念する。

採決では3市議が反対

 請願書は中澤俊介議員(至誠)が紹介議員となり、各会派の議員が党派を超え賛同議員に名を連ねた。
 6月20日の市議会建設経済常任委員会で請願書の審査が行われ、委員全員の賛成で採択された。
 本会議での請願の採択では、賛成議員が18人に対し、軍司俊紀議員、増田葉子議員、山田喜代子議員の3市議が反対した。
 請願書を提出した市民の1人は取材に「地域間格差の是正が重要だったのですが、3名の市議の方には請願の趣旨をご理解いただけず残念です」と、悔しさをにじませた。

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