印西市大森の六軒厳島神社で毎年12月31日夜に行われる「六軒厳島神社年越し神輿」が、今年は新型コロナ感染防止対策を取り、2019年以来3年ぶりに開催される予定だ。今回で30回目の節目とあって、関係者たちは「来年をいい年で迎えよう」と意気込みを見せる。
市内の神輿の担ぎ手同好会「下総誠粋會」の宮本明会長によると、年越し神輿は1991年に、地域の振興と活性化を図るとともに、地域住民の親睦と融和を深める目的で始まった。
開催のきっかけは、宮本会長が34年前に茨城県内の年越し神輿行事に参加し、二代目会長の故・斎藤節男・最高顧問に「ウチもやりませんか」と打診して始まったという。当初は4トンウイング車荷台をお囃子のステージ代わりに使い、神輿を担いだという。
その後、年越し神輿の評判が広まり、近年では千葉県内をはじめ、茨城県や東京都から100人程の神輿の担ぎ手が集まる一大イベントに成長。本来ならば20年に30回目を迎える予定だったが、コロナ禍で20年と21年は開催を断念した。
だが、地元住民たちから「年越し神輿を開始して、新しい気持ちで新年を迎えさせてほしい」と、再開を望む声が相次いたという。会員たちに意見を聞いたところ、全員一致で再開を支持し、地元自治会からも開催の要望が上がったため、今年の再開を決めた。
宮本会長は今年7月25日に死去した斎藤前会長に触れ「前会長も30回大会を楽しみにしていた」と明かした上で「前会長に見せてやりたかった。その気持ちは会員みんな一緒」との心情を語った。
今回は会場で感染防止対策を十分に取った上で、午後9時から、布佐ひょっとこ睦のお囃子、印旛龍凰太鼓の演奏が行われ、日付が変わる1月1日午前0時に神輿が始まる。会場内では豚汁、甘酒、年越しそばが無料でふるまわれる。
宮本会長は「前会長も天国で喜んでくれると思う。『30回大会は何をやろうか』と楽しみにしていた。来年をいい年で迎えよう」と、思いを巡らせた。
日時・12月31日午後9時開始
会場・六軒厳島神社・水神社境内 印西市大森4336
主催・六軒厳島神社・水神社年越し神輿実行委員会
主管・日本神輿協会所属 下総誠粋會
問い合わせ先・下総誠粋會会長・宮本明 電話090(3229)7296
※緊急事態宣言が出ない限り開催予定。