コロナ禍でも演奏の場を 印西市内10会場で音楽祭

コロナ禍でも演奏の場を 印西市内10会場で音楽祭

 音楽による地域の活性化と地域文化の向上を目的にした野外音楽イベント「第1回印西まちなか音楽祭」が5月22日、印西市原のBIGHOPガーデンモール印西や牧の原ロードブリッジなど市内10会場で催され、市内外から55組約300人のミュージシャンらが集まり、演奏を披露した。
 来賓あいさつで、中澤俊介市議会議長は、長期化するコロナ禍の影響でコンサートが中止になるなど、音楽業界を取り巻く状況が厳しい現状に触れた上で「印西まちなか音楽祭が、音楽という魅力あふれるイベントを発信していく催しに発展していくことを祈念します」と述べた。
 一方で板倉正直市長は、あいさつを一通り述べた後、唐突に「印西音頭」を歌いだす一幕があった。
 市内10会場のうち、牧の原モア「水の広場」では、大学生ら4人組のバンド「Small World」=写真=が演奏し、買い物客らが演奏に聞き入っていた。
 同バンドの高山莉彩さん(19)=東京都=は演奏後「見てくれる人が手を叩いてくれて、ライブを楽しくやることができた。出て楽しかった」と述べた。
 同バンドは、普段は大学のある市川市内のスタジオで練習するが、コロナ禍でライブが開けず、音楽活動への制約が残る。メンバーの1人で印西市出身の川村錬さん(19)は「大学の軽音部に入っているけど、なかなか活動ができなくて、ライブの場所を見つけるのが難しい」と明かした。
 音楽祭への出演依頼を受けた川村さんは「地域でライブのイベントがあるのがありがたい」と関係者らに感謝の意を示した。
 同音楽祭の佐々木光子実行委員長(67)は「音楽を演奏する場所も、聞く場所も、コロナでパタッと途絶えてしまった。演奏の場を提供して、近隣の方々にも少しでも希望の持てる音楽祭にできたら」と、音楽祭の開催意義を説いた。
 音楽祭のロゴを製作した、市内在住のグラフィックデザイナー、山崎百子さん(42)は「また来年も再来年も続くイベントになればいいな」と期待を寄せた。

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