印西市長選挙・市議補欠選挙 相対すべき立場が姉妹に夫婦、どうなってるの?

印西市長選挙・市議補欠選挙 相対すべき立場が姉妹に夫婦、どうなってるの?

 印西市長選(7月14日告示、21日投開票)に立候補を表明した印西市議3人の辞職に伴う、印西市議会議員補欠選挙(市長選と同日程)の立候補予定者説明会が7月3日、印西市役所で開かれ、元職と新人の計7陣営が出席した。印西市議補選を巡っては「市長選立候補予定者の家族」が市議補選への立候補を予定しており、市長と市議を身内が占める事に対し、政治倫理面から疑問の声が上がっている。

世襲より酷い 市政の同族私物化では?

 このうち、市長選立候補予定者の松本有利子氏(38)の妹の松谷知美氏(年齢非公表)が、市議補選への立候補を模索しているとの情報が流れ、説明会には多くの報道陣が集まった。
 しかし、説明会には“氏名非公表”の男性が出席。男性は説明会終了後の報道各社の問い合わせに対し「松谷知美の関係者」と一言話した以外は、「これ以上答えられません」「適切な時期にお知らせします」などと繰り返し、一切の素性を明かさなかった。
 市議選への立候補を検討しているにも関わらず、告示直前まで秘密主義を貫く背景には「姉が市長で妹が市議!?」という市民からの批判を最小限に留める狙いがあるものと見られる。
 本紙は姉の松本氏や松谷氏に確認すべく、「印西ミライの会」に質問メールを送付したが、「松谷知美への質問がある場合は、選挙の関係者や本人に直接聞いていただければと思います」との回答が来た。

松本有利子氏(左)と松谷知美氏の「姉妹対談」と銘打った市政報告チラシ

「夫が市長選で妻が市議補選!?」に批判噴出

 一方で、市長選立候補予定者の大崎雄介氏(43)の妻で、保育園園長の大崎亜希氏(46)の代理人が説明会に出席。説明会出席者名簿の連絡先には、夫の雄介氏の事務所名と雄介氏の名前が記載されていた。
 傍聴に訪れた市民の一人は「大崎さんの奥さん(亜希氏)が市議補選に出るとなったら、周りからの批判が出て、今回の説明会に来れなくなったみたい」と、背景を明かした。
 公職選挙法では、首長または首長選立候補者の近親者の立候補を制限する規定は無く、近親者同士が市長と市議会議員の両方に立候補するのは前代未聞のケースだ。
 本来は監視、牽制する役割を持つ市長と市議会の二元代表制の構造が歪められ、近親者による縁故主義など癒着を招く危険性がある。

夫の大崎雄介氏(左)と妻の亜希氏の2連ポスター
印西市議補選・立候補予定者説明会の出席者名簿に記載された、大崎亜希氏の氏名と亜希氏の代理人の氏名。連絡先には亜希氏の夫で、印西市長選立候補予定者の大崎雄介氏の氏名などがある。

印西市議補選・立候補予定者説明会参加者一覧

 印西市議補選の立候補予定者説明会の出席者(代理人出席含む)は以下の通り。所属政党は受付簿に記載の通り。(敬称略、名簿記載順。7月3日時点)

▽玉木実(立憲元)▽柿原健一(無元)▽中村高教(無新)▽津田憲吾(立憲新)▽大崎亜希(無新)▽佐藤政雄(無新)▽氏名非公表男性
※当該の氏名非公表男性(推定年齢20代~30代前後、短髪黒髪、身長170㌢前後。顔にマスク姿で表情は不明)は報道各社の問い合わせに対し「松谷知美の関係者」と話した以外は、一切の素性を明かさず。

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