シリーズ 都市計画税の減税(前編)

印西市議会議員 第16代市議会議長 中澤俊介氏

 このところ各メディアを通じ、所得税や消費税の「減税」という言葉を耳にする機会が増えています。
 10月23日、臨時国会の所信表明演説で岸田総理は、総合経済対策の一つ「供給力の強化」では、賃上げ税制強化の減税措置や投資減税などの減税制度について言及されました。二つ目の「国民への還元」では、所得税減税を念頭に「還元措置の具体化に向けて、近く政府与党政策懇談会を開催し、与党の税制調査会における早急な検討を指示します」と演説されました。いわゆる1人あたり4万円の所得税等からの定額減税についてです。
 ご承知のとおり国税に限らず地方税においても、様々なものがあり、法令や条例の定めるところにより課税されています。
 これまでも、市議会の一般質問や2016年の市長選公約に掲げてきた、都市計画税の減税について、ここでまとめておきたいと思います。
 納税者にとって、固定資産税と合算して賦課徴収される、都市計画税はなじみが薄いと思います。納税者の立場からは受益と負担の関係が必ずしも明らかではなく、固定資産税との違いもわかりにくいとの指摘もございます
 毎年、4月中には納税通知書がお手元に届きますので、今一度、ご覧いただければ幸いです。
 目的税である、都市計画税は原則として市街化区域内の土地及び家屋が課税客体であり、地方税法第702条の4では、都市計画税の税率は100分の0・3を超えることができないとされています。
 印西市では制限税率上限の0・3%で据え置かれていますが、都市計画税を課するか否か、その税率水準をどの程度とするかは、地域における都市計画事業の実態に応じ、市町村の独自の判断に委ねられています。

 別表のとおり、県内で財政力の高いとされるお隣の成田市は印西市の1/6の税率0・05%、浦安市にいたっては課税なしという状況です。
 本市においては、2年連続で剰余金が発生し都市計画基金に積み増す状況を鑑みると、持続可能な街づくりと、適正な受益と負担の観点から、大胆な税率改正(見直し)のタイミングに差し掛かっているように思えてなりません。
 また、印西市においても、物価高騰の影響による経済対策として、税収の上振れ分を“減税”で市民に還元すべきと考えています。
 では、現在の印西市の税率は0・3%ですが、適正な水準はどこかについて、次号で考察したいと思います。

印西市議会議員 第16代市議会議長 中澤俊介

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