印西市議会は9月30日の定例市議会最終日、全ての市民1人当たり5千円の臨時特別給付金支給など市独自の「物価高騰対策支援プロジェクト」や、住民税非課税世帯などの低所得世帯1世帯当たり5万円支給を含む、印西市一般会計補正予算475億1239万円を、原案通り可決した。
印西市経済振興課によると、市から1人5千円の臨時特別給付金を知らせる文書と、給付金振込先の銀行口座の内容を確認する書類が、12月1日頃をメドに市内約4万5千世帯の世帯主宛てに発送される。
確認書が届いたら、世帯主が確認書を郵便で返送か、確認書のQRコードをスマートフォンで読み取り、専用の入力フォームに入力し送信する。書類内容を確認してから約3週間程度で振込手続きを始める予定で、早くても12月末頃に世帯分の給付金が届く予定。
市では臨時特別給付金の専用コールセンターを開設する予定で、11月15日付の市広報紙と市公式ホームページで通知するという。
住民税非課税世帯に1世帯5万円給付
◆モデルケースで1世帯7万円
市独自の給付金とは別に、国も住民税均等割非課税世帯など低所得世帯に1世帯5万円の「電力・ガス・食料品等価格高騰緊急対策支援給付金」を給付する。
住民税非課税世帯のうち、夫婦・子ども2人の4人家族世帯のモデルケースで試算すると、市独自の給付金(5千円×4人分)と、国からの給付金1世帯5万円を合わせると、計7万円の給付金が受けられる。
市社会福祉課によると、対象は住民税均等割非課税世帯約6800世帯と、今年1月から12月の間に予期せず収入が激減し非課税相当になった家計急変世帯の約200世帯の、計7000世帯を見込んでいる。
非課税世帯は、市から10月31日頃までに振込先の銀行口座や各種条件などの確認書が送られる。
家計急変世帯は申請が必要で、11月1日から市公式ホームページで申請書をダウンロードできるほか、いんざいワークライフサポートセンターや市社会福祉協議会などにも申請書を設置する。高齢者などネット環境が無い世帯には、市社会福祉課から申請書を郵送するという。
申込期限は2023年1月31日まで。問い合わせ先は内閣府コールセンター・電話0120(526)145、受付時間 午前9時~午後8時まで。
中澤俊介・印西市議会議長に聞く
定例市議会終了後、本紙前号(10月号)に引き続き、中澤俊介・印西市議会議長に改めて取材に応じていただいた。
ー今期市議会での目玉議案「市民1人当たり5千円の給付金」が可決・成立しましたが?
中澤 今回の臨時特別給付金は、スピード感を重視して全市民への給付となりました。本来ならば「本当に困っている世帯には手厚く給付」が理想なのですが、所得制限などを設けると給付スピードが遅くなり、年末までに間に合わなくなる恐れが出てきます。とはいえ、来年以降もコロナ、インフレ、円安など厳しい状況は予想されますので、今後は別の生活支援策の検討が必要だと考えます。
ー国の「住民税非課税世帯に1世帯当たり5万円給付」に関する議案も可決しましたが?
中澤 住民税均等割非課税世帯と家計急変世帯の計7000世帯に年内には給付されますが、ひとり親世帯をはじめ本当に生活に困っている世帯には、市独自の給付金と合わせて生活の助けになると思います。
ー他市では子育て世帯や単身世帯などへの手厚い給付例があるようですが?
中澤 報道によりますと、船橋市では子育て世帯や29歳以下の単身世帯にお米券を給付するそうです。茨城県稲敷市では、小中学校に入学の児童生徒や中学校卒業の生徒に対し商品券を給付した例があります。
「薄く広く」ではなく傾斜配分方式で、子育て世帯や単身世帯など、収入が厳しいが消費性向の強い世帯に対して手厚い生活支援を行い、同時に地域の商店利用を促し地域経済の活性化にもつなげています。
ー今後の支援策については?
中澤 子育て世帯や生活困窮世帯などへの手厚い給付の他に、別の生活支援策を考える必要があります。
また、熊谷千葉県知事のコメントにあったように、将来への投資も重要です。10年先を見据えて、人への投資と同時にインフラの整備も行政の責任といえます。古来より、治山治水は政治の要諦と言うように、防災インフラや交通インフラへ投資することで将来の税収効果につながるはずです。それらを市民に直接還元するような経済の好循環を実現する仕組みが大切です。
他県・他市の政策を参考に、市民の皆さんが「印西市に住んで良かった」と思えるような政策を考え、議会と行政が一丸となり政策実現に努力していきます。