去る7月8日に安倍晋三元内閣総理大臣(ここでは安倍総理と呼ばせていただきます)が急逝されました。死に至る事情は皆さんのご承知のことと思います。私は昨年の10月に衆議院議員になったばかりであり、安倍派に所属しているとは言え、個人的には安倍総理とこれまでに深いご縁があったわけではありません。それでもわずか8ヶ月間の短い期間でしたが、安倍総理のご講演やご挨拶を拝聴する機会も多く、その都度、一言一句聞き漏らすことのないよう、真剣に耳を傾けていました。まだまだ伺いたいことが沢山あったのですが、今はもう叶わぬこととなってしまいました。
私が先の衆議院選挙に立候補することになって暫くして、ある知人の紹介で安倍総理にお目にかかる機会を得ました。緊張する私に向かって安倍総理は、「松本さん、選挙はね、ストーリーが大切なんだよ。ストーリーを作りなさい」と仰いました。私はすぐにその意味するところが理解できずにいたのですが、なにせ相手はあの安倍総理です、それ以上を詳しく質問することもできずにその日の面会は終わったのでした。
安倍総理の言葉の意図するところは何か? 選挙活動をしながらもその日から私なりに考える日々が始まりました。まずは「選挙に出る大義を確認すること」、そして「何故、自分はこの場にいるのか、そのためには何をすべきかを示すこと」、これらを有権者に向かって説明できなければ選挙には勝てないのだという思うに至りました。幸い結果はご覧の通りでしたが、安倍総理の言葉通りに私が行動できていたのかは分かりません。この先、何度かの選挙を経験しながら、安倍総理の言う「ストーリー」が何であったのかを追求していきたいと思います。
安倍総理は私のFacebookへの投稿にも目を通してくれていました。朝の駅立ち、週末の街頭演説の様子を見てくれていて、ある日、「松本さん、よく頑張ってるね」と声をかけていただきました。前出の共通の知人には「松本さんは(選挙に)強くなるよ」と言っていたそうです。これらの言葉を胸に、そして拝聴したお話を忘れることなく、安倍総理が実現しようとしていていた「美しい日本」の国づくりを目指して、日々努力をしていかなければなりません。
安倍総理は、「確たる信念を持ち、たじろがず、批判を覚悟で臨む」政治家でした。憲法改正、領土・領海・領空の防衛、男系皇統の維持、拉致問題の解決等々、国家の存立と尊厳に係わる大きな問題に立ち向かうために、私も斯くありたいと思います。
心から哀悼の意を表します。