【松本尚衆議院議員コラム】見て、聞いて、永田町 第2回 派閥とは何か?

 今回は自民党の「派閥」についてのお話です。

 現在、党内には6つの派閥があります。どの派閥に属するかは国会議員個人の判断に委ねられます。国防や外交、内政についてどこが自分の考えに近いかで選ぶこともできます。あるいは地元支持者の皆さんの考えに従うこともあるでしょう。選挙地盤を引き継げば前任者のいた派閥に自動的に入らざるを得ないかも知れません。こんな具合です。

 私が小学生~高校生の頃は「三角大福中」といって五大派閥が覇権を争っていました。派の領袖を総理総裁にするべく、党内で多数派を占めるために派閥が大きな力を持っていました。そのためメディアは権力争いの「巣」として面白おかしく、時には批判的に報道してきました。今でも総裁選のときにはその様相を呈しますが、複数人の当選者を出す中選挙区の時代では派閥間の争いはもっと苛烈であったそうです。現在の小選挙区制度では一選挙区で自民党候補者が1人ですから、そんな争いは(特別な事情を除けば)ほぼなくなりました。

 自民党の派閥の歴史は1955年の保守合同にまで遡ります。旧自由党に端を発するのが宏池会(現 岸田派)で、これが分派して志公会(麻生派)があります。それと平成研究会(茂木派)があります。一方、旧日本民主党の閥を受け継ぐのが清和政策研究会(安倍派)、志帥会(二階派)、近未来政策研究会(森山派)です。最近では無派閥の菅前総理を中心に大きなまとまりができるかも?という動きもありますね。

 私の所属する清和研は岸信介から続く系譜を持ち、憲法改正や積極的な安全保障政策と財政政策を掲げる集団です。宏池会は池田勇人の流れを汲み、平成研は佐藤栄作から田中角栄に連なる派で、政策的には保守リベラルに属すると言われています。志公会には将来、宏池会と合流する構想もあるようですが、現状では清和研に近く、宏池会と志公会が政策で一致できるのかは分かりません。志帥会はかつての中曽根派が源流で、基本的な政策は清和研と似ていると思います。

 派閥を語る上で大切なことは、誰が派閥を構成しようが政策論争が根底にあるべきということです。これを忘れてしまえば、ただ権力を争う集まりにしかなりません。私は何よりも、派閥という集団同士で国家についての論を語り合う、そんな存在であって欲しいと思っています。

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