【論説】 3期12年の板倉市政に有権者の審判を

 印西市長選挙が7月14日告示、7月21日に投開票日を迎える。今回の選挙では3期12年の長期にわたる板倉正直市長(77)の市政運営に対し、市民からの審判を下す機会である。
 3期目の板倉市政で特に目につくのが「市民への説得と納得のプロセスの軽視」であり、説明責任を果たさない姿勢である。
 顕著なのが、印西地区環境整備事業組合が建設予定の次期クリーンセンターの入札に関し「なぜ28億円もの差がある高い業者に工事を決めたのか?」との疑問点について、板倉氏は自身の口から一切の答弁を避け「完全黙秘」した点だ。
 市議会一般質問で中沢俊介議員が、同組合の管理者である板倉市長へ入札を巡る疑問点への説明を求めたのは、市民を代表する市議として当然の行為である。市民の代表者たる市議に対し「黙秘」で応じるとは、印西市民に対する背信行為であり、同組合を構成する白井市・栄町の市民・町民に向けても「疑惑は深まった」との誤ったメッセージを送るに等しい。
 板倉氏は記者会見でクリーンセンター入札問題に関する質問をした記者に「どこに疑惑があんの!?俺聞きたいよ!」などと激高したが、激高せずに理路整然と入札の経緯を説明すれば済むだけの話だ。
 また、昨年の市議会で採択された、市内の水道未給水地域への給水を求める、「給水区域拡大に関する請願書」について取り組む姿勢が見られない。
 市内の未給水地域の市民の間から「同じように市民税を払っても地域間格差がありすぎる」「不公平を無くして欲しい」との水道整備を求める声に対し、耳を傾ける姿勢が見られない。「水道を市内全域に拡大しないと印西市の人口は増やせない。水道の無い地域に移住したい人はいない」という懸念も無視する。
 なぜ市民の利益になり、印西市の将来の発展につながる給水区域拡大を拒むのか理解できない。
 今回の市長選では現職・新人合わせて6人が名乗りを上げており、給水問題とクリーンセンター問題に関して前向きの姿勢を見せている新人が見られる。
 3期12年の板倉市政に対して有権者がどのような審判を下すか注目したい。

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