2月16日に行われた印西市議会会派代表質問で中沢俊介議員(至誠)が、印西市内の小中学校の給食費を完全無償化について質問したところ、印西市が給食費完全無償化の実施を検討している事が明らかになった。しかし、具体的な実施スケジュールは明示されず、スピード感に欠けた市執行部への対応に批判が高まりそうだ。
中沢議員の質問に対し、板倉正直市長は「保護者の経済的負担を軽減し、児童生徒の健全な成長に市がしっかりと責任を持ち、健康の増進や体力の向上に資するため、本市においても今後、学校給食の完全無償化の実施を検討しております」と答弁した。
しかし、中沢議員が再質問で具体的な実施スケジュールを質したが、土屋茂巳教育部長は「今後の制度設計が出来たらお示ししたい」との答弁にとどまった。
完全無償化に約5億3000万円 市試算
市の試算では、小中学校の給食費を完全無償化した場合、市の負担額は年間約5億3000万円という。財源は一般財源を充てる見込みで、完全無償化で給食費徴収などコスト削減や職員の事務負担軽減が期待できるが、土屋部長は「完全無償化の制度設計が整っていないため、担当職員の事務量がどの程度削減できるかは現時点では難しい」と答弁。給食の質の確保は「今後も千葉県産の(食材の)使用を心掛けていきたい」と、地産地消を継続する考えを示した。
中沢市議は議会終了後の取材に対し「スピード感を持って対応すれば、令和6年度の二学期の9月からスタートできる。特に中学校3年生は義務教育最終学年となることから、安心して給食が食べられるように早急に実現したい」と語った。
給食費完全無償化を巡っては、2月19日から21日の一般質問で、加藤亮二議員、林勝利議員、小川利彦議員が同様の質問をした。