田楽座いんざい公演 コロナ禍乗り越え大盛況

「田楽座いんざい公演」で熱演する田楽座の団員たち

 日本各地の祭ばやしや太鼓などの民俗芸能を上演する芸能集団「田楽座」の公演が10月10日、印西市大森の市文化ホールで開かれた。田楽座の印西市公演は初めてで、NPO法人「いんざい子ども劇場」が主催した。
 今回の公演は、印西市本埜地区で活動している「本埜太鼓」の本橋和恵さんが田楽座の太鼓ワークショップで知り合った事から印西市公演の話が持ち上がり、同劇場が取り組んでいる米づくり体験との関連で公演に至ったという。
 当初は田植えや稲刈りをはじめ、田楽や神楽などの民俗芸能を体験する里山体験プログラムの一環で、昨年公演の予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止。今年に入ってようやく実現できた。
 田楽座の杉幸司朗さんは「祭りの力というもので、弱まった人々の気持ちを大きく盛り上げていきたい」と、大きなテーマを掲げて公演に臨み、2年越しの印西初公演は、277人(主催者発表)の観客が押し寄せる大盛況を見せた。
 会場では、八木節や獅子舞をはじめ「海のお囃子」など各地の郷土芸能を元にしたオリジナル曲が上演された。両手に持ったお盆を落とさずに舞う「盆舞」では、観客席から手拍子が上がった。同劇場によると、終演後に団員から「お盆を回している時に手拍子が付いたのは初めてだった」「本当にノリのいいお客様だった」との好意的な感想が聞かれたという。

「田楽座いんざい公演」で熱演する田楽座の団員たち

「学校以外の子どもたちの居場所」いんざい子ども劇場での活動体験

 いんざい子ども劇場は1988年に発足し、2004年にNPO法人化。今年で34年目を迎える。子どもの健やかな成長を願い「子どもの豊かな心と想像する力を育む場作り」を目指し、舞台鑑賞をはじめ、調理、工作、農業体験などに取り組んでいる。
 舞台鑑賞は、テレビや動画配信など「一方的な受け身体験」とは違い、演者や観客が一体となって感動を共有できる生の体験が特徴で、子どもの情操教育に役立つという。欧米諸国では、演劇を取り入れた心理療法「演劇セラピー」を取り入れているという。
 同劇場の住田裕子理事長は「学校以外の子どもたちの居場所でありたい」という。同劇場では、学区や年令が違う子どもたちが交流し、保護者や教師以外の大人と交流できるなど、学校や学習塾では学べない多様な価値観に触れ合えるのが特徴。「その子の個性を認める」のが同劇場のモットーで、活動を通じて多くの人と交流し、程よい距離感をつかむ事で、結果としてコミュニケーションを学ぶ場になっているという。

◆いんざい子ども劇場公式サイト

https://npoinzaikodomo.wixsite.com/inzaikodomo

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